私の母は認知症なのに、なぜ凛として道徳に強いのか?
在宅介護、というよりも年老いた母の生きるを支えているうちに、親子の関係性は深まりを見せていきます。親であり、私を産んで育ててくださって、巣立たせてくれて何十年というお付合いなのですが、母に対して、新しい発見が日々、生じます。これまでは、自分にとって母という存在ではありました。しかし、一人の人間として、生命として、なぜ、老いてもなお非常に凛とした姿勢でいられるのか。老いていくあるべき姿を私に教えているかのようでした。認知症を患っているにもかかわらず、なのです。