認知症の発症|人が変わったように見えてしまう

 親族による虐待から縁を断ち切ろうと、これから母と私で一緒に暮らす新たな新居が決まり、その立ち上げに追われていた頃です。

 新居の準備のために、母の傍から離れなければいけない数日がありました。

 そのわずかな数日の間に、親族からの虐待に狙われました。

 その内容を今は公にしませんが、数日ぶりに会う母の様子が激変していたのです。

 室内に一人で置かれ、髪の毛はべとついていて入浴した様子がありません。

 話をしても、記憶があやふやで、怒りっぽく、会話がかみ合いません。

 食事も十分に取っていなかったようです。

 『明らかにおかしい・・・。』

 私が初めて、認知症症状に直面した瞬間でした。

もくじ

超迅速に監護と看護

 身上監護という言葉があります。

 成年後見を調べると出てきますが、福祉を必要とする人の仕事や健康を守る意味があります。

 成年後見についても、別記事で取り上げますが、この時は、母の身上監護が何よりも急務と判断しました。

 そのため、母の荷物も数日分の着替えだけを用意して、その日のうちに母には私の家に来てもらいました。

 とにかく私の家に来てもらわないと健康状態を悪化させかねない状況であることは母も理解し、その点は話がかみ合ったのは幸いでした。

 高齢になると持ち出す荷物も少ないのも助かりました。

 ひとまずは、貴重品と衣類、そして身だしなみに必要なものだけで済みました。

認知症症状を初めて観察

 言葉や切り取られた映像のみで認知症を知るだけでしたが、実際に認知症を患った実物と言ったら怒られますが、その母を目の前にして、認知症症状を目の当たりにしました。

 まず、認知症症状を顕著に露呈する時は、目が違います。

 母の目は、いつもの澄んだ輝きを失っています。

 どこか不安げでもあり、不満や怒りも満ちた目になります。

 とはいえ、私にとっても初めて接する認知症症状です。

 母にとっても、とうとう罹患してしまった認知症です。

 まずは、その症状を一か月、観察してみるところから始めました。

 結論としては、広く知られている通りの認知症として露呈する症状は、だいたいは観察しなければいけないことになりました。

 そして、そのお世話の大変さに直面し、途方にも暮れたのをよく覚えています。

主治医に相談

 一か月の症状の詳細をまとめ、かかりつけの主治医にもとに母と二人で向かいました。

 主治医も内科医で何十年にもわたり母の健康状態を診てくださっていた医師です。

 また、認知症を診断できる医師で、長谷川式認知症スケールでの診察をしたのちに、確定診断のため、認知症の検査ができる病院へ向かうようにとの指示が出ました。

 そのときの長谷川式認知症スケールの数値も良くなかったのですが、わたしも母の傍にいて一緒に受けているつもりで頭の中で解答していました。

 でも、これ、結構、難しいな、と思いませんか?

 母も簡単には答えられないのは、無理ないな、と思えたのは救いです。

 私にも難しいのですから。

 それはさておき、認知症の確定診断のため、母と二人で設備のある病院に向かうことになりました。

さくら

認知症の確定診断って、どんな検査するのだろう?

 認知症検査ができる病院に向かう道中、主治医に質問し忘れたのを思い出しました。

 初めて親御様の認知症症状を目の当たりにするとびっくりするかもしれません。

 過去の親御様の元気な姿とのギャップを感じるからです。

 ネットで調べる限りの認知症と、実際に認知症のお世話をするとなると次元が異なります。

 まず、コミュケーション・ロスの多発に苦労します。認知症ケアでは当たり前ですが、一般日常会話で成り立つ『さっき言ったよね!?』が成立ちません。

 認知症を患うと短期記憶がやられます。しかし、昔の記憶は正しいので、かみ合う話もあり、最初は混乱します。

 でも、この大変さは介護が始まった最初だけです。認知症症状の把握が進めば、対処対応策が自ずと見えてきます。

 後述する投稿で、対応策を発信していきます。

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