在宅介護で親と子によるマインドフルネスの実践は、さまざまな在宅介護シーンで有益です。
今日、お伝えするのは親の体調で不調に気づき、改善するアプローチです。
体調があまりすぐれないといっても、病院に行くほどでもないけれども、改善したいといった状況です。
もちろん、高齢になるほど、優れない体調の裏には、重い病が隠れている場合もありますから、まずはドクターの診察を受けるのが先決です。
でも、原因がよく判らないので様子を見ましょうといったときに適用していくのがベストではないか、というのが私の考えです。
あくまでも、これが正しい見解というわけではありませんので、それをご了承の上、読み進めていただければ幸いです。
ある家庭の在宅介護でマインドフルネスを体調不良で改善してみた読み物として受け取ってください。
涎(よだれ)が出てしまう
高齢になると、身体の不調というのはいつもつきまとってきます。
膝が痛い。
腰が痛い。
どこそこが調子悪い。
病院に行くほどでもないのだけれど、どこか身体がすぐれない。
高齢者のあるあるです。
岳母の場合、ある日、次のような訴えがありました。
最近、よだれが口元から出てしまって、マスクを外せないし、人前で話をするのをためらってしまいます・・・。
当然、何か悪い病気が潜んでいる可能性もあるので、まずは近くの主治医に相談です。
年をとっていくと、誰でも、よだれがたれてしまうのはよくあることです。
あまり取り合ってもらえなかったようですが、それでも健康に異常はみられないとのこと。
他にも、歯科医や、他の内科医の診察を受けますが、異常はみられないとの診察を受けました。
とはいえ、よだれがたれてしまう症状は改善しないですから、QoLは改善しません。
そこで、気づきの実践、マインドフルネスを応用しました。
涎(よだれ)に気づく
これまで、マインドフルネスで、気づきを欠かさずにティッシュペーパーで鶴を折るのが毎朝の日課となった岳母です。
身体の動作に気づきを入れるというがどういうことなのか、自然と理解をしてくれるまでになってくれていました。
そのうえで、私は、次のように提案しました。
それでは、よだれが出そうになったら、≪ 出る ≫と気づきを入れてみてください。
身体の動きに意識を向け続けることになりますが、よだれは一瞬でドバっと口から出るわけでないでしょうから、おそらく出そうになった瞬間に≪ 出る ≫と気づきを入れられるはずです。
岳母は真剣に耳を傾けてくれます。
当然、なんとか体調を改善したという思いがあるから、前向きです。
その気づきを入れた後で良いので、気づけた回数をカウントしていってほしいのです。
そして、よだれがたれるまえに気づきを入れられれば、よだれはとまるはずです。
よだれがたれそうになった時に気づきを入れて、間に合わずに、よだれがたれてしまった回数もカウントして欲しいのです。
その日から、岳母はよだれが出そうになる身体の状態に気づきを入れる実践が始まりました。
そして、きちんとカウントしてくれました。
その記録が、この記事のサムネイル写真です。
自らの気づきで、よだれをとめる
よだれがでる、これもまた動き続ける身体のある状態です。
よだれがでそうになるというか、口腔内で唾が溜まってしまう状態に気づかないのでそのままたれてしまっていたのですから、その状態に気づきさえすれば、口元からたれずに、そのまま口腔内から内臓で処理されていきます。
そして、よだれに気づく、その行為をカウントという形で見える化して、自分で確認できるようになれば、気づきによって、改善しているのか、改善していないのか、一目瞭然となります。
結果、約2週間程度だったでしょうか。
最初は、よだれがでそうになって気づいても、間に合わずにとめられなくて口元からたれてしまったようですが、日々、気づきの実践をしていると、よだれが出そうになる初期の段階で気づけるようになってきました。
そして、徐々によだれがたれてしまう症状は無くなっていき、最終的には、まったく意識しなくてもよだれがたれて困ってしまうという症状に悩まされることは無くなりました。
自ら気づき、自らの力で体調を改善できるので、自信にもつながっていた様子でした。
マインドフルネスは、瞑想修行だけでなく、日常生活でも大いに活かしてこそ、その恩恵にあずかれる、と私は理解しています。
例えば、プレゼンテーションで緊張するような場面でも、緊張に気づく。会社で頭にくるようなことがあっても、怒っていることに気づく。
そうすると、不思議と今、この瞬間に抱いているネガティブな感情は消えていきます。マインドフルネスは、マスターして決して損はない、というのが私の意見です。