70歳から楽になる 幸福と自由が実る老い方

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書籍紹介

書籍名:70歳から楽になる 幸福と自由が実る老い方

著 者:アルボムッレ・スマナサーラ

出版社:角川新書

読ませてもらって

 私の三度目の介護となる岳母にお渡しした書籍の一冊です。

 そして、岳母にとって、その人生で最期に手にした書籍となりました。

 岳母にとって大切な配偶者を喪った時から、生活支援の一環として、私と一緒に読書をすすめてきました。

 人生に起こる困難さについて、ブッダの教えをもとに、いくつもの視点を共有し、学びを深めてきました。

 例えば、次の書籍も、岳母は一週間をかけずに読了してくれました。

 岳母は、とても勉強熱心でした。

 私の気持ちは、もっと一緒に学びを深めたかった思いが未だに残ります。

 しかし、この≪ 70歳から楽になる ≫書籍だけは、岳母はページがめくれませんでした。

 なぜか?

 ページがめくれないと言っても、目次や全体に目を通すことはしてくれてはいました。

 ある日、私が次のように岳母に尋ねます。

さくら

お母さん、あの本は読み終わりましたか?

岳母

う~ん。実は、まだ読み終えていなくてね・・・。

さくら

いつもよりペースが遅いですね。何かありましたか?

岳母

書いてあることはそのものズバリ。でも、私がこれまでやってきたことが、すべてダメ出しされているようで・・・。

さくら

ですよね!だから、オススメしました。

ご自身の写し鏡のような内容のはずです。

手放すと云うことが、如何に難しいか。

そして、手放さないがゆえに苦しむことを今、身をもって感じられていますものね。

岳母

そうなのよ。ホントウに≪ 手放す ≫というのは難しい・・・。

 特に女性の親御様にとって、子に対する愛着は、とてつもなく大きいものです。

 実母も、そして岳母も、お二人とも愛情深く、無条件に子を心配する心の広さは、宇宙なみです。

 そして、その心は、地球全体の平和にとって必要不可欠なエネルギーです。

 しかし、年老いてきたら、それは徐々に手放していかなければ、自らの首を絞めるエネルギーとして返ってきます。

 在宅介護と聞くと、その世話に翻弄される子供の苦労が報道等で取り上げられがちですが、年老いた親御様も在宅介護の声が聞こえてきたら、≪ 手放す ≫取組から逃げてはいけません。

 逃げるほどに、苦しみは増えていくのがセオリーです。

 実母も、岳母も、晩年の晩年にこの苦しみに直面しました。

 この書籍を通じて、年齢を重ねるほどに楽になる道理を学ばれることをお勧めします。

 家の片付けを断捨離と称して、テレビ番組も報じられますが、それを見ていて笑ってしまうのが、やはり女性の親御様のコメントです。

 使わなくなった物品を見ては、昔を思い出を語りだしたり、老いているのに将来に必要になるかもしれない、などと発言されるので、見ている側としては楽しませてもらっています。

 いま必要なのか、不必要なのか。不必要であれば処分する。それだけのことですが、物品を見ては妄想を語りだすので厄介だろうな、と思いますが、それを見て楽しませてもらっています。整理が出来ない人の特徴でもあるのですが。

 さて、物品よりもはるかにレベルの高い≪ 手放す ≫を要求されるのが在宅介護です。ぜひ、この書籍からその難易度を早めに学ばれることをお勧めします。

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