ビジネスケアラー・茨の道を進め!

 この記事を投稿するのが2025年初頭ですが、ビジネスケアラーという言葉が認知されつつある世の中になってきました。

 介護離職を余儀なくされるのではなく、仕事をしながら、ケアの必要な年老いた親御様の介護を在宅でおこなう人を指す造語です。

 大まかには、在宅介護をする社員を企業が支援するにあたって、国が補助する仕組みが動き出しているということを聞いています。

 私は、世の中のこの流れを強く支持します。なぜなら、ビジネスケアラーを支援する企業は、将来の成長が約束されるからです。

もくじ

人口減少社会を迎えて

 日本は、これから人口が減少していきますが、長寿化は維持され、90代でもコンピューティングで情報発信し、為替や株のトレードで稼ぎまくる人も、わんさかと増えていきます。

 長寿になっても、かつてのような老化現象に支配されずに元気に自立して暮らす人が目に見えて多くなっていきますから、これまでのような介護サービスを拡充しなければならない世の中の流れは先細っていきます。

 とはいえ、長寿化に伴い、生活の支援を周囲から受けなければいけない長寿の方々もいらっしゃるのは当然です。

 このような社会を見据えれば、本当に支援が必要なご長寿の方には、国や行政は、手厚い介護サービスを提供しながら、一方でご家族がいるならば、ご家族でご長寿の親御様の生活を支援する在宅介護が当たり前になります。

 そのため、ビジネスケアラーは、これから非常に大切なキーワードです。

世の中の社長さんへ

 一つだけ、社員に求める素養は何かと問われれば何を挙げるでしょうか?

 私は、≪ 道徳 ≫と答えます。

 今、あるテレビ放送局がスキャンダルで世の中から糾弾されています。

 政治の世界は、今に始まったことではありませんが、国民の信頼を失っています。

 メガバンクの一角では、預けた顧客の金品を社員が盗みとる事態を招いています。

 なぜ、このような事態を招くのかと言えば、≪ 道徳 ≫の無さ、これに尽きます。

 逆に言えば、企業の発展において、そこで働く人々の≪ 道徳 ≫の高さがどれだけ大事なのか。

 それに気づいている企業だけが世の中から支持され、発展していきます。

 では、その≪ 道徳 ≫をどのようにマスターすれば良いでしょうか?

 例えば、嘘をつかない。

 誰一人として、嘘をつかない社員を育てられるでしょうか?

 難しいでしょうね。

 ポイントは、≪ 嘘をつかない ≫社員ではなく、≪ 嘘がつけない ≫社員を育てる必要があるからです。

 嘘なんかついたところでロクな結果にならないことや、嘘は成立たないことを熟知すれば、嘘がバカバカしいと判ります。

 そして、なぜ人は嘘をつくのかが白日のもととなれば、正々堂々と生きる社員ばかりになっていきます。

 このような≪ 道徳 ≫を鍛える現場が、年老いた親御様の在宅介護経験なのです。

 東大を卒業しようが、大手企業に就職しようが、現代の甘やかされた生活環境で、ふんわりと育ってしまえば決して身に付かない素養、それが≪ 道徳 ≫です。

楽な道か、それとも茨の道か、どちらを選ぶべきか

 答えは、簡単です。茨の道、一択です。

 ところが、昨今の教育では、できるだけ安泰に、できるだけ楽に、という甘やかしの仮初な平和のため、茨の道を歩みません。

 介護でいえば、介護離職するぐらいなら、親を施設に入れるのが正しいかのような風潮です。

 確かに、これは楽な道のように見えるのです。

 しかし、楽な道ほど、どのような困難が待ち受けているのかが見えていませんし、判りません。

 見えない困難には、対処のしようがないのです。

 一方で、進む道が茨だと判っているのであれば、それ以上の茨は無いのです。

 なぜなら、茨が見えていれば、対処対応ができるのです。

 多くの人が、楽な道を選びますが、結果として落とし穴に嵌るのも、茨が見えていないから楽に見えていただけの現実に気づかないのです。

 ですから、本当に選ばなければいけないのは茨の道であり、いざ、親御様の介護が必要になれば、もちろんその大変さは免れませんが、果敢に進まなければいけません。

 そして、ビジネスケアラーとして、介護する社員を企業が応援するのが当たり前になれば、その茨の道も乗越えやすくなるというもの。

 やがて介護を終えて、業務に完全復活した時、介護を終えた実績のある社員は、企業発展に欠かせない≪ 道徳 ≫を携えています。

 重要なポジションに据える人材の条件は、≪ 道徳 ≫です。

 人口減少社会とは、情報の民主化が進み、誰もがインターネットを通じて真実の情報を掴み、巧みに生きる術を手に出来る時代を指します。

 かつては情報が上から下に偏向的にしか流れていなかったものが、誰もが、嘘を見抜き、隠し事ができない社会へと変貌しつつあります。

 人が少なくなれば、ごまかしは効かないのです。もっと言えば、これまで気づかなかった価値にも気づき始める社会にもなっていきます。

 例えば、年老いた親御様への介護が個人にとっても、企業にとっても重要な取組だと明らかになるのも、そう遠くない頃に当たり前になっていくのではないでしょうか。

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