今では市民権を得た言葉として広く知れ渡っているマインドフルネス。
でも、その内容を聞いてみると理解されている人は少ないようです。
『知ってるよ。呼吸に集中するやつでしょ!』
間違ってはいないのですが、表面的なお答えです。
まず、マインドフルネスの源流は、お釈迦様の説かれたヴィパッサナー瞑想にあること。
ですから、ヴィパッサナー瞑想とは何かをキチンと学ぶこと。
当然、そこにはお釈迦様の教えもセットにあるので、それも学ぶこと。
これらの基礎を固めてから、マインドフルネスを生活に溶け込ませていきます。
私の場合、岳母との在宅介護生活にマインドフルネスを溶け込ませていったのです。
岳母の学習スピードが凄かった
岳母とは、認知症を避ける取組があるという説明からマインドフルネスを一緒に学び始めました。
ただし、上記の関連記事でお伝えしていますが、認知症を避けたいがゆえにマインドフルネスに取組んでも上手くいきません、という話もしました。
なぜなら、ヴィパッサナー瞑想の実践は、解脱に達するための教えだからです。
快適に生きるためとか、楽するためにとか、そのような俗世間的な目的のためにあるわけではない、という指導を私は受けているので、岳母にもそのように伝えていました。
このブログでも、多くの書物を紹介しています。
このブログで紹介しているイチオシの本で、スマナサーラ長老のご著書は、岳母はすべて読破しています。
それも一冊当たり、およそ5日程度で読破されていました。
付箋紙を貼りまくって。
80代後半の年齢で、この読書スピードは少し驚かされました。
そして週末になると、私に本の内容について質問されます。
- 死について
- 親子の関係について
- 病気のなり方について
- 問題の解決方法について
- 苦とは何か、について
質問内容は、他にも多岐に渡りました。
岳母は、非常に興味を持って読んでくれたのですが、マインドフルネスの実践に向けてこの姿勢はとても大事ではないでしょうか。
解決すべき課題が見えてくる
例えば、死について、岳母から質問を受けた時です。
誰もが死に向って生きているのか?
そうです。例外はありますか?ですから、死が無ければ生は成り立たないんです。
死が無ければ生が成立たないにも関わらず、死を無視して、生きるを自分好みにしたいと挑戦しては失敗して落ち込みます。
お母さんだってこれまでも同じだったはずです。
子供にかける期待はどうでしたか?
望み通りになりましたか?
決して、お母さん好みにならないですよね。ならないばかりか、とんでもない問題まで抱え込むようになってしまった・・・。
実際に、岳母は子育ての悩みを抱えていました。
お年寄りになってまで、子育ての悩みを抱えるのかと思うかもしれませんが、必ず抱えます。
ここで大事なのは、たまたま、死を題材して、岳母と生きるとは何かについて話をしていますが、ありとあらゆる問題や課題が芋づる式に結びついてぶら下がっているのに気づいていくのです。
解決への糸口をつかむ
このようにマインドフルネスをキチンと基礎から学んでいこうとすると、いま抱えている課題が明確に見えてきます。
そして、マインドフルネスを日常に溶け込ませていく実践が、その解決に向けた糸口をつかませていきます。
死を入り口にして、生きるとは何かの探求が始り、良かれと思ってやってきたことが手に負えないような問題まで作ってしまってきた現実の発見。
晩年の岳母にとって、現実の直視は厳しいものがあったかもしれませんが、事実が見えたからこそ解決できるというもの。
このことは、別の記事にまた詳しくまとめていきます。
さて、マインドフルネスをキチンと実践するには、上記のような学びの上にもうひとつ、具体的なトレーニングが必要です。
それが良い集中力を鍛える。
これを具体的に実践する取組が、例えば、ちり紙(ティッシュペーパー)で鶴を折る。
この記事のサムネイルで掲載している写真がそれです。
出来そうですか?
まずは、挑戦してみてください。
日本人であれば、誰でもできる折り鶴です。
紙の素材が、千代紙等々ではなく、ティッシュペーパーというのがポイントです。
次の記事で、具体的な折り方を解説します。
これからマインドフルネスを在宅介護のある生活に溶け込ませていく様子をお伝えしていきます。
まずは、基礎が大事ですから、その源流であるヴィパッサナー瞑想の学びを開始されるところが出発点だ、と私は思います。
そのためには、信頼できる指導者を求めるのを強くお勧めします。
私が岳母にマインドフルネスを伝えているのは、それは相手が身内であり、家族だからできることです。
これを他人様にやるとなると、できません。
その道を修行された方に教えを乞うのが王道です。
そのため、このブログで紹介しているのは、マインドフルネスを在宅介護に溶け込ませていくある家庭の実践例の一つとして捉えてもらうと良いかと思います。
まずは、書籍をあたり、次にマインドフルネス実践にむけて指導者を求め、その内容をご家族と共有されるとよいのではないか、というのが私がお勧めするマインドフルネス習得のアプローチです。