書籍紹介
書籍名:老いていく親が重荷ですか?
著 者:アルボムッレ・スマナサーラ
出版社:河出書房新社
読ませてもらって
タイトルは、多くの人の心に響き、訴える言葉。
巷では、ご高齢の親御様の介護に関する話題は、もう溢れんばかりになっています。
やれ介護は大変だ、やれ介護報酬が下がっただの、国は老人を見捨てるのか等々、・・・・。
ネット上でご高齢の親御様への介護の話題は、収拾がつかないほどです。
でも、一言でまとめるなら、年老いていく親御様が重荷でしかないんですよね!?、皆さん。
そもそも、なぜ、自分の親なのにそのお世話が重荷なのか?
かつて、私は、その理由を人間以外の生命の営みに求めました。
驚くことに、文句ひとつ言わずに上手に子育てする動物たちも、年老いた自分の親のお世話は絶対にしません。
理由は、本能にそのプログラムが組み込まれていないのです。
そして、このことは人間にも共通します。
ですから、子供にとって、年老いた親の介護は重荷でしかありません。
しかし、一部の人間だけは、年老いた親の介護を率先してやります。
その理由は、なぜか?
答えは至って、シンプルです。
本能ではなく、自らの理性で年老いた親の介護を完遂させます。
もしくは、年老いた親の介護をすることで、自らの理性を開花させていきます。
この理性の有無が、他の生命と人間とを区別する分水嶺です。
年老いた親の介護を完遂するとハッキリと判ります。
親もそうですが、私たちも必ず、最期を迎えます。
亡くなります。
このとき、初めて生まれてきた意味が問われます。
≪ 人間で生まれてきた以上、人間以上で死ななければ意味がない。 ≫
このフレーズも、あるシーンで著者であるスマナサーラ長老が仰っていた言葉であり、勝手ではありますが、私の座右の銘とさせてもらっている言葉です。
もし、人間以上で亡くなるのが目指すべき人生の目標と定められるのであれば、理性を開花させれば、それに到達します。
その絶好のチャンスとして、理性を育む登竜門とも言えるのが、年老いた親御様への在宅介護です。
なぜ、お釈迦様が年老いた親御様のお世話を推奨されるのか。
それを知れば、人生は好転しかしません。
≪ この地球上で、年老いた親の介護をする生命は、何種類ぐらい居るのかな? ≫
なぜ、私がこの疑問を抱いたのか?
それは、野生の動物達や昆虫達のほうが、人間と比べて子育てがはるかに上手だからです。
文句ひとつ、彼らから聞いたことがありません。
そのため、実母の在宅介護が始まった当初、次のように考えました。
野生の動物達や昆虫達なら、年老いだ親の介護も上手にするのではないか?
介護を上手にやる生命がいるならば、参考にしたい。
そのような考えから、上記の疑問を持つに至りました。いまでこそ、Chat GPTも同じ答えを出してくれますが、私が実母の介護を始めたころ、この疑問の答えはネット上にはなく、本書にありました。
私の周囲で、初めて在宅介護をするにあたって、参考になる書籍を尋ねられたとき、一度は読んでおくべき内容として、必ずお勧めしている本です。